伝統的な染付のブルーと銀彩が生む世界観
素焼きした素地にコバルトなどの顔料をあしらって本焼きする「染付」の技法。これは、古九谷の時代にもみられる古典的な陶芸の技です。宮吉さんはこの染付によって生まれる藍色に独特の濃淡をつけることで、深みのある表現を行っています。作品名にある「瓔珞紋(ようらくもん)」とは、古代インドに由来する文様で、貴族が身に付けた装飾品を模した柄のこと。ここに銀彩をあしらうことで、伝統技法を用いながら異国情緒にあふれたロマンティックな作品を生み出しています。
素焼きした素地にコバルトなどの顔料をあしらって本焼きする「染付」の技法。これは、古九谷の時代にもみられる古典的な陶芸の技です。宮吉さんはこの染付によって生まれる藍色に独特の濃淡をつけることで、深みのある表現を行っています。作品名にある「瓔珞紋(ようらくもん)」とは、古代インドに由来する文様で、貴族が身に付けた装飾品を模した柄のこと。ここに銀彩をあしらうことで、伝統技法を用いながら異国情緒にあふれたロマンティックな作品を生み出しています。
九谷焼の窯元の家に生まれ、幼いころから焼き物に親しみました。金沢美術工芸大学の工芸科陶磁器コース卒業。九谷焼というと色絵というイメージが強くありますが、宮吉さんは「染付」を用いて独自の表現を行っています。子育てをしてきた経験から、料理好きな女性が楽しんで使える器を提案しています。
宮吉さんの作品の魅力は、和と洋の美意識が融合した独特の世界観です。オリエンタルな絵柄と染付ならではの優しい色彩。古典的な技法や色彩を用いながらも、現代的でオリジナリティの高いデザインが魅力です。銀彩があしらわれており、華やかさと気品を生んでいます。この銀は時間がたつと酸化によって色彩に深みを増していきます。経年変化を愉しむことができる器です。
宮吉さんは、ご自身が主婦として子育てをしてきた経験から、料理好きな女性が使って楽しめる器として作品を提案しています。エレガントながら、形状は使いやすいように配慮されています。色彩は華やかですが、優しいブルーは上品に食卓になじみます。ここには、女性ならではの感性と経験が生かされています。食宅に並べて、使って楽しんでいただきたい器です。
「金澤しつらえ」では、宮吉さんの作品を展示しています。焼成することによって生まれる色彩である「染付」。窯の温度でも変化すると言われるその色彩は、独特のゆらぎがあります。一つずつ変わる色や独特の濃淡、また細かく描き込まれた文様などを間近に見てお楽しみください。